カラー(主に白髪染め)をした時、頭皮がピリピリしたり、かゆみや痛みが出るなど、頭皮に違和感を感じたことのあるお客様には、刺激やかゆみを抑える、またはかゆみ成分を排除する処方でのカラーをおすすめします。

Le Dicoでは、大きく分けて4つの頭皮トラブル対応のカラーメニューをご用意しています。

その他、施術前、施術中、施術後には、
頭皮を守り、潤いを与え、炎症を抑えるための
様々な対応をしています。

体質や体調によってトラブルの出方や原因が異なりますので、相談しながらその時にベストな施術方法を探っていきましょう。

カラー剤のお話

カラーによる頭皮トラブル対応カラーをご紹介する前に、軽くカラー剤のお話とかぶれのお話をさせてください。

通常のおしゃれ染めや白髪染めをする際、現在最も用いられているのが「酸化染毛剤(アルカリカラー)」です。

そして、この酸化染毛剤を使ったカラーの仕組みをものすごく簡単に説明すると、
“ご自身の髪の毛にもともとある色素を脱色して明るくし、そこに染料を入れて定着させる”
...ということになります。
この作用に必要な成分が「染料」、「アルカリ剤」、「過酸化水素」です。

アルカリ剤や過酸化水素が頭皮に接触することで、皮膚にピリピリした刺激やかゆみを感じさせることがあります。

根元ギリギリからハイトーンのカラー(ブリーチなど)をすると、頭皮がピリピリ感じたり、カラー後も頭皮が引きつったように感じることがある方がいらっしゃると思いますが、それが頭皮の刺激です。
このピリピリは「刺激性のかぶれ」である場合が多いです。

カラーの際、髪の毛に色素を入れていくために髪の表面のキューティクルを開く必要があるのですが、その時に使用されるのが上の3つの成分の中の「アルカリ剤」です。
このアルカリ剤が髪のダメージを引き起こすと昔から言われています。

アルカリ剤は、美容室で行うケミカルな施術のほとんどで使用されています。
薬剤を髪の内部まで入れていくためにキューティクルを開く必要があるからです。
そして、髪のダメージの大きな要因の一つが、このアルカリ剤と言われています。

ブリーチなどのハイトーンのカラーを続けている方の髪は、どうしてもパサツキや枝毛、切れ毛のダメージが気になってきますよね。それがアルカリ剤によるダメージです。

かぶれ(接触性皮膚炎)のお話

ヘアカラーによるかぶれ(接触性皮膚炎)には刺激性とアレルギー性があります。
まずは、ピリピリするような刺激性のかぶれについて。

刺激性のかぶれ
皮膚が敏感な方や皮膚に傷があって皮膚のバリア機能が弱っている方が、皮膚についた化学物質によって、赤み・痛みなどの症状を起こす皮膚炎のことです。
その物質に触れても、皮膚の状態によって症状が出たり出なかったりします。

♦︎見分け方♦︎
「ヒリヒリ」、「チクチク」、「ジンジン」、「しみる」などの頭皮、肌の痛み。

次に、ヘアカラーによるかぶれ(接触性皮膚炎)のうち、アレルギー性のかぶれについてです。
ヘアカラーのトラブルの多くは、酸化染毛剤の主な成分である「パラフェニレンジアミン」によるアレルギー性皮膚炎(かぶれ)によることが多く、頭皮が赤くなったりかゆくなったりして気がつきます。

アレルギー性のかぶれ
皮膚についた化学物質から体を守るために免疫が過剰に反応し、体に弊害をもたらすことです。
かゆみを感じ、その後に赤み・腫れ・ブツブツなどの症状が出ます。
一度アレルギーになると一生、その物質に触れるたびに症状が出ます。


♦︎見分け方♦︎
「ムズムズ」などの頭皮、肌のかゆみ。

当店では、このように性質の違う「刺激性のかぶれ」と「アレルギー性のかぶれ」の両方に配慮しながら、皮膚に負担をかけないように施術方法と薬剤を選んで行きます。

低アルカリカラー(オイルカラー)
~アルカリでピリピリする方へ

カラーの際のアルカリによる頭皮のピリピリした刺激を気にされている方には、薬剤の中のアルカリの量を最小限にする方法でのカラーをおすすめしています。
(同時に髪の毛のダメージも抑えます。)

アルカリを抑えたカラー施術には主成分がオイルとなっているカラー剤を使用します。

通常のカラー剤は水が主成分ですが、オイル配合率が約60%(通常の1/10のアルカリ量)のお薬を使って染めていきます。
上の『カラー剤のお話』でもお話ししたように、通常のカラーでは、髪表面をアルカリ剤に晒し、キューティクルを開かせて染料とアルカリ剤を浸透させます。
でも、オイルが主成分のお薬ではその仕組みが全く違います。
オイルを髪表面に付着させることで、オイルの力で水に溶けた染料とアルカリ剤を毛髪内部へ押し込んでいきます。
(髪内部の親水性を利用したシステムです)

ちょっと難しいお話になってしまっていますね。
この辺は読み飛ばして、下の「低アルカリカラー(オイルカラー)がおすすめの方」に飛んでくださって大丈夫です!

当店では他にも、頭皮への負担を軽減するための薬剤をご用意しています。
例えば、過酸化水素による刺激が強く出る方には、過酸化水素の頭皮への接触を防ぎ、頭皮に保護膜を作ってくれるようなお薬を使います。

ピリピリ刺激がアルカリによるものなのか、過酸化水素や染料によるものなのか...刺激になる成分が何なのかを調べながら、お客様にとって最適な薬剤と処方をセレクトしていきます。

当店では、アルカリ剤や過酸化水素による頭皮のピリピリ刺激をできるだけ避けるために、事前に頭皮を保護するお薬を塗ったり、施術中にはアルカリが髪や頭皮に残らないように除去を行います。
また、カラー施術後のケアもとても大切ですので、頭皮の荒れを抑え、潤いを取り戻し皮膚状態を健康にするために専用のローションを浸透させるなど、通常のカラーやパーマなどすべてのケミカルな施術に際して、最大限の頭皮ケアを行なっております。

低アルカリカラー(オイルカラー)がおすすめの方

低アルカリカラー(オイルカラー)がおすすめの方
      
  • アルカリによる刺激を弱めたい方
  • 髪の広がりが気になる方
  • 頭皮が傷んでいる方
  • アンモニアフリーのカラー剤を選びたい方
  • ジアミンアレルギーではない方
  • 色々な髪色やカラーチェンジを楽しみたい方
  • ハイトーンカラーを楽しみたい方
  • 髪の毛のパサつき、ダメージが気になる方
低アルカリカラー(オイルカラー)がおすすめできない方
  • ジアミンアレルギーがある方
  • 過酸化水素で刺激を感じる方
  • ヘナ、マニキュアをされている方(どの酸化染毛剤を使用する際も同じです)

ノン・パラフェニレンジアミンカラー
~かゆみや炎症を抑えたい方へ

ノン・パラフェニレンジアミンカラーについての説明の前に、「ジアミン」という染料についてお話させてください。
少し難しいので飛ばしてくださっても大丈夫!

ジアミンについて

カラーのアレルギーというと、「ジアミンアレルギー」という言葉を耳にすることが多いと思います。
白髪染めなどの後、頭皮がかゆくなる方のほとんどの方がおそらくこの「ジアミン」という成分に反応していると思います。

「ジアミン」とは、ヘアカラーの「核」として染料に含まれる『パラフェニレンジアミン(PPDA)』等のことです。
この『パラフェニレンジアミン(PPDA)』等を使用することで、少量の色素で濃く色を出すことができ、いろいろな色調を簡単に作ることができます。
また、短時間で染まり、色持ちも良く、混ぜ合わせていろいろな色味を作ることができるというように操作性もとても高いです。
...というわけで、現在の染毛技術ではほとんどが「ジアミン」を配合していますし、なくてはならない成分といえます。

そして、ジアミンにもいくつか種類があるのですが、中でも『パラフェニレンジアミン』が最も染まりが良いため、ほとんどの白髪染めに配合されています。
一般的に「ジアミン」というと、この『パラフェニレンジアミン』のことを指します。
(皮膚科のカラーアレルギー検査はこの『パラフェニレンジアミン』のアレルギー反応をチェックすると思います。)

酸化染毛剤に含まれる染料には、まれにかぶれなどのアレルギー反応を起こすものがあり、その代表的なものが、『パラフェニレンジアミン』です。

パラフェニレンジアミンによる刺激やアレルギーが出る方には、“パラフェニレンジアミンを使用しない処方”でカラーをすることを強くおすすめします。
それが、「ノン・パラフェニレンジアミンカラー」です。

ノン・パラフェニレンジアミンカラー

パラフェニレンジアミンにはアレルギーが出るけど、その他のジアミンや染料にはアレルギーが出ないのであれば、この「ノン・パラフェニレンジアミンカラー」を使うことができます。

その他のジアミン類染料は、パラフェニレンジアミンほど短時間でしっかり濃く色が入らないのがデメリットですが、パラフェニレンジアミンによってかゆみや炎症が起こる方には「ノン・パラフェニレンジアミンカラー」をおすすめします。

染まりについては、パラフェニレンジアミンと同じというわけにはいきませんが、お客様のご要望をお聞きして相談しながら、一番いいところを目指していきたいと思っています。

もちろん、ジアミン類染料すべてにアレルギー反応が起こる方には使用できません。
(「ノン・パラフェニレンジアミンカラー」は、染料によるアレルギーが起きないカラーということではありません。)

ノン・パラフェニレンジアミンカラーがおすすめの方

ノン・パラフェニレンジアミンカラーがおすすめの方
  • 「パラフェニレンジアミン」アレルギーの方
  • アルカリ、過酸化水素でピリピリ感を感じる方
  • 敏感肌の方
  • 免疫力が低下している方
  • アトピー体質、皮膚や粘膜が弱い方
  • 顔面や頸部などに傷や皮膚疾患などがある方
ノン・パラフェニレンジアミンカラーがおすすめできない方
  • 「パラフェニレンジアミン」以外のジアミンや染料にもアレルギー反応が起こる方
  • 高発色、高明度の色味をご希望の方

ノン・ジアミンカラー
~ジアミンアレルギーの方へ

アレルギーを引き起こす原因となる代表的な成分はパラフェニレンジアミンですが、それ以外にもカラー剤に使われている染料はあります。
例えば、トルエン2.5-ジアミンや他の酸化染料(パラアミノフェノール)などです。

ジアミンアレルギーとは、ジアミン染料が原因となって起こるアレルギー性接触皮膚炎のことですが、上でお話しした、パラフェニレンジアミン以外のジアミンに対してもアレルギー反応が出てしまう方には、“ジアミン染料が無配合のノン・ジアミンカラー”をおすすめします。

ノン・ジアミンカラーがおすすめの方

ノン・ジアミンカラーがおすすめの方
  • パラフェニレンジアミン以外のジアミンや染料に対してもアレルギー反応が出てしまう方
  • 敏感肌の方
  • 免疫力が低下している方
  • 体調不良の症状が持続している方(微熱、倦怠感、動悸、息切れ...など)
  • アトピー体質、皮膚や粘膜が弱い方
  • 頭、顔、首筋にはれもの、傷や皮膚疾患などがある方
  • 頭皮、または皮膚が過敏な状態になっている方(病中、病後の回復期、生理時、妊娠中など)
  • 赤みのある髪色が好きな方
ノン・ジアミンカラーをおすすめできない方
  • 2〜3トーンの真っ黒な髪色に染めたい方
  • アッシュ系にしたい方
  • アルカリ、過酸化水素でかぶれる方

ヘナカラー
~天然成分100%のハーブトリートメントカラー

頭皮や髪に負担をかけたくない方、通常のカラーでお悩みの方には、ヘナカラーをおすすめいたします。

ヘナについて

ヘナはミソハギ科の双子葉植物を粉末化したもので、エジプトやインドなどでは古くから染毛に使われてきました。
欧米では、ヘナは昔から究極のカラートリートメント剤として広く愛用され、ヘアケアの必需品として長く重宝されてきました。
日本でも自然派志向の高まりとともに、ヘナを配合した製品が見られるようになってきましたが、ヘナによる染毛は淡赤〜淡褐色で、白髪染めにはあまり適しません。
ヘナの黒髪に対する染色の難しさから、日本ではサロンワークメニューとして定着しています。

ヘナカラーの染まり具合について

ヘナの染まり具合は、ジアミン染料を使用した通常の白髪染めと同じようにはなりません。
ジアミン染料を使ったカラー剤では、白髪もしっかりとカバーすることができます。
一方、ヘナカラーは染まる力は弱くて、発色もヘナ独特な色味となります。
(通常のカラーのように色味をいろいろ楽しむことはできません。)

一度染めの場合、白髪がオレンジ色に染まります。
二度染めを行うことでナチュラルな茶色に染めることができます。
お時間をいただくことにはなりますが、自然な色味にしたい方には二度染をおすすめしています。(はじめは緑みを帯びた色になりますが、2,3回シャンプーするとブラウンに落ち着きます。)

ヘナカラーによるアレルギーについて

ヘナは、“頭皮にも髪にも良くて白髪も染まる天然のカラー”という良いイメージを持たれている方が多いと思います。

しかしながら一概にはそう言えないところもあります。
上にお話したように、ヘナによる染毛は淡赤〜淡褐色で白髪染めにはあまり適しません。
そのため、酸化染料を配合して白髪染め効果を謳ったウィッグ用の雑貨品もあり、使用にあたっては化粧品であることの確認が必要になります。
つまり、市場に出回っているヘナカラーの中には、ジアミンなどの染料を含んでいるものも多くあるということです。(ケミカルヘナ)
このケミカルヘナにはジアミンが入っているので、100%自然由来のヘナと比べると当然良く染まります。
色も天然100%に比べてナチュラルです。
通常のカラー剤と比較すれば、頭皮や髪への負担が少ないですが、ジアミンアレルギーをお持ちの方には使用できません。

当店では、ジアミンなどの化学物質を一切含まないヘナを厳選してしておりますので、ご安心ください。

ヘナは、ノンジアミンの100%天然由来のオーガニックカラーですので、通常のヘアカラーに必要なアルカリ剤、過酸化水素、染料のどれも無配合です。
刺激性のかゆみにお悩みの方にも、ジアミンのアレルギーでお悩みの方にも使用することができます。

また、もう一点大切なことがあります。
ヘナには、ジアミンやアルカリ剤、過酸化水素などが入ってはいませんが、ヘナ自体にアレルギー反応が出てしまう方もいらっしゃいます。
当店の店長 mattsuも、何の気なしに行ったヘナカラーで顔中が腫れてしまったことがありました。

ですので、“化学物質だからダメ、オーガニックだから安心”とは言い切れないということをお伝えしておきたいと思います。

ヘナを含む頭髪用及び洗髪用の化粧品には、使用前のパッチスト(皮膚アレルギー試験)が義務付けられています。
通常のカラーでもヘナでも、できることならパッチテストを受けていただきたいと思っています。

パッチテストについてこちら

とはいえ、ヘナにアレルギーがなく、色味がお好みであれば、ヘナは白髪染めとトリートメントの両方の効果が得られる魅力的なカラーメニューです。
敏感肌、ジアミンアレルギーなどでお悩みの方は、ぜひお試しください。

ヘナカラーがおすすめの方

ヘナカラーがおすすめの方
  • ぺしゃんこ髪にお悩みでボリュームが欲しい方
  • ヘアカラーによる髪の毛、頭皮へのダメージが気になる方
  • 頭皮への刺激、ヘアカラー時のピリピリ感が気になる方
  • ヘナのトリートメント効果でダメージ修復したい方(ハリ、コシ、ツヤが出てボリューム感が生まれる)
  • ナチュラル志向の方
ヘナカラーをおすすめできない方
  • 真っ黒に染めたい方
  • 髪にハリコシがないほうがいい方
  • 少しでも短時間でヘアカラーしたい方
  • おしゃれ染め(通常のカラー)をしたい方
  • 季節や気分によってカラーチェンジを楽しみたい方

パッチテスト(皮膚アレルギー試験)

パッチテストとは、ヘア施術で言えば、“カラー剤にかぶれる体質であるかどうかを調べるテスト”です。

ヘアカラーをする2日前(48時間前)にはパッチテストを行います。
テスト部位の観察はテスト液塗布後30分くらいおよび48時間後の2回行います。

以下はパッチテストの手順です。

パッチテストの手順の一例
  1. 実際に使用するカラー剤を調合し、テスト液を作ります。
  2. テスト液を綿棒にとり、腕の内側の柔らかいところに10円硬貨大に薄く塗って自然乾燥させます。(30分くらいで乾きます)
    ※パッチテストの部位・・・腕の内側や耳の後ろの生え際に、混合した染毛剤を10円硬貨大に塗ります。
  3. テスト液塗布後30分後、軽く拭き取ってチェックします。
    塗布部に発疹、発赤、かゆみ、水泡、刺激など皮膚の異常があった場合は、手などでこすらないで、すぐに洗い落とし、ヘアカラーはできません。
  4. 3で異常がなければ、そのまま触れず48時間経過を見ます。
    テスト箇所はこすったり、洗ったりしないでお過ごしいただきます。
    また、絆創膏等で覆わないで、テストの途中で異常を感じたら、すぐに洗い流し、カラー施術は行いません。
  5. 48時間(2日間)以内に異常がなければ、ヘアカラー施術をすることができます。
    (48時間以内であっても、発疹、発赤、かゆみ、水泡、刺激など皮膚の異常があった場合は、施術はできません。)

パッチテストをご希望の方は、お問い合わせ、ご予約の上、カラーをする2日前にご来店ください。
実際に使用する薬剤を調合して行います。