ウィルス学の進歩

19世紀後半に細菌ろ過器が発明され、細菌の培養液をこれでろ過すると、細菌はすべて捕捉され、下に 出てくるろ液の中には細菌が認められなくなって、毒素だけが残ることが明らかにされた。そのため、このろ過器は細菌と毒素の分離の目的で使われるようになった。しかしその後、ある種の病原微生物は、 このろ過器を通過することがわかった。 このろ過性の病原体は、現在ではウィルスと呼ばれている。その後、狂犬病の病原体がろ過性であることが確認され、さらに痘そうの病原体もウィルスであることがわかった。このようにしてウィルスに関 する新しい学問の領域が開けた。