粗死亡率と年齢調整死亡率

死亡率は、その地域の人口に対する死亡数の割合を示すものであり、通常は人口1000人に対して1年間に 何人死亡したかを示す値=粗死亡率(ソシボウリツ)で表される。
年齢別死亡率は、一般に、思春期の頃最も低くなり、その後は年齢とともに上昇する。このため、年齢 構成の異なる集団間で死亡率を比較するとき、集団の健康状態とは別に、高齢者の多い集団ほど見かけの 死亡率が高くなる。この影響を調整するため工夫された指標として、年齢調整死亡率がある。

我が国の粗死亡率は人口の高齢化のため近年、上昇傾向にあるが、年齢調整死亡率でみると低下してきて おり、生まれる子どもの数が少なくなってきていることと合わせて、人口の中に占める高齢者の割合は 増加してきている

  • 粗死亡率・・・日本では高齢化のため上昇
  • 年齢調整死亡率・・・日本では低下


このように我が国の死亡状況が急速に改善した理由は、第一に乳児死亡率の低下がある。 次いで青年期の結核による死亡率の低下、及び全年齢における死亡率の低下によるものである。

なお、死因別では、特に脳卒中結核の死亡率が低下しているが、一方で、高齢化に伴い、 がん心臓病肺炎 などの死亡率が高くなってきている。

死因

低下・・・脳卒中、結核
増加・・・がん、心臓病、肺炎